「朝、起きた瞬間に体が鉛のように重い……」
「しっかり寝たはずなのに、疲れが取れていない気がする」
日本の夏、そんな悩みを抱えていませんか?
日中の暑さで体力を奪われ、夜はエアコンの冷えで休まらない。これでは、せっかくの睡眠もリカバリーの時間になりません。
筆者は現在、一年中が日本の真夏のような気候のマレーシアに住んでいます。
毎晩が熱帯夜という環境で、ピラティスやダンスで体を動かす私が試行錯誤の末にたどり着いた、「冷えずに朝までぐっすり眠るための最適解」をお伝えします。
今回は、体を動かす日のコンディション(可動域)を崩さない「リカバリーの視点」で対策をまとめました。
結論から言うと、ポイントは「27℃設定」と「風を浴びない工夫」の掛け合わせでした。
エアコンは「悪」ではありません。使い方のコツさえ掴めば、最強の睡眠サポーターになりますよ。
エアコン 寒い だるい原因は「自律神経」の冷え疲れ
そもそも、なぜエアコンをつけて寝ると翌朝だるくなるのでしょうか。
「体が冷えるから」というのは半分正解ですが、専門的な視点で見ると「自律神経がオーバーワークを起こしている状態」と考えられます。
寝ている間に体の中で何が起きているのか
人間の体は、睡眠中に「深部体温(体の中心の温度)」を下げることで脳と体を休息させます。そのため、室温が高すぎると深部体温が下がらず、睡眠の質が低下しやすくなります。
しかし、室温が低すぎると今度は血管が収縮し、体温を逃さないように体が防御反応を示します。
寝ている間、私たちの体は「体温を下げたい」のに「寒くて血管を縮める」という、アクセルとブレーキを同時に踏むような状態になりがちです。これが、自律神経に負担をかけ、翌朝の「どっとくる疲れ」に繋がっている可能性があります。
なぜ「タイマーで切る」と逆効果なのか
「寒いのが嫌だから、3時間タイマーで切る」という方も多いでしょう。
しかしこれは、リカバリーの観点からはあまりおすすめできません。
タイマーが切れると、室温は一気に上昇します。すると、深い睡眠(ノンレム睡眠)から浅い睡眠へと無理やり引き戻されたり、暑さで中途覚醒してしまったりします。
一度目が覚めると、再び深い眠りに入るにはエネルギーが必要です。結果的に「寝た気がしない」朝を迎える要因の一つとなってしまいます。
エアコンは何度で寝る? マレーシア実験で分かった27℃設定
では、具体的に何度に設定すれば良いのでしょうか。
環境省が推奨する「室温28℃」は省エネには優秀ですが、湿度の高い日本の夜においては「少し寝苦しい」と感じるケースも少なくありません。
迷ったら試してほしい「27℃・自動運転」
マレーシアに移住した当初、私はエアコンの設定温度で数々の失敗をしました。
「とにかく冷やさなきゃ」と24〜25℃の強風設定で就寝し、夜中に寒さで目が覚めたり、朝起きると体が氷のように冷たくなっていたり……。これでは疲れが取れるどころか、逆効果でした。
そこで、1℃ずつ設定を変えて数ヶ月間実験した結果、たどり着いたのが「27℃」というラインです。
- 26℃:
薄着だと快適だが、朝方に寒さを感じやすい。 - 28℃:
湿気が多い日は少し汗ばみ、布団を蹴いでしまうことがある。 - 27℃:
しっかり布団をかぶってちょうど良い。朝まで寒さを感じにくい。
この「27℃設定」で、風量を「自動」にしておくこと。これが、今のところ私が感じているベストバランスです。
(※お使いのエアコン機種や部屋の広さによって体感は異なるため、まずは27℃を基準に±1℃調整してみてください)
温度以上に大切かもしれない「風向コントロール」
ここで一つ、非常に重要なポイントがあります。それは「風」です。
どんなに設定温度が高くても、冷風が直接肌に当たると、気化熱で体温は奪われ続けます。
私は寝室のエアコンの羽(ルーバー)を「一番上(水平)」かつ「スイングなし」に固定しています。
冷たい空気は重く、自然と下に降りてくる性質があります。天井に向けて風を出すだけで、部屋全体がふんわりと冷え、直撃風による冷えが起きにくくなります。
夫は暑がり、私は寒がり。家族と設定温度が合わない時の対処法
「私は寒がりだけど、夫(パートナー)は暑がりで温度設定が合わない」
これは多くの家庭で起きる“夏の寝室問題”ですよね。
我が家も同様です。私が快適な温度だと夫は「暑い」と言い、夫に合わせると私は凍える……。
以前、夫に合わせて温度を下げた際、私だけ布団にくるまっても顔や首元が冷えてしまい、翌朝のコンディションが優れなかった経験があります。
「暑がりの温度」に合わせて「寒がりが自衛」する
この問題を解決するために私たちが実践したのが、以下のシンプルなルールです。
- ルール①:設定温度は暑がりの人に合わせる(例:26〜27℃)
暑くて眠れないのは辛いため、ベースは涼しめに設定します。 - ルール②:寒がりの人は「場所」と「服」で調整する
風が当たるかどうかで体感は大きく変わります。配置を変えるだけで、お互いのストレスが軽減されました。
設定温度だけじゃない!「湿度」と「着るもの」で快適度は変わる
設定温度が決まったら、次は「湿度」と「ウェア」にも目を向けてみましょう。ここを整えるだけで、睡眠の質はさらに上がります。
湿度が下がれば体感温度は下がる
実は、同じ27℃でも湿度が違うだけで涼しさは全く異なります。
日本の夏は湿度が高いため、温度を下げる前に「湿度」を下げる工夫をしてみましょう。
ポイント:
除湿機やエアコンの除湿モードを活用して、湿度50〜60%を目指してみてください。
※ここが整うと、27℃設定でも十分に涼しく感じるため、無理に温度を下げなくても、過ごしやすく感じることが増えます。
(関連記事:【梅雨〜夏】湿気で眠れない夜の対策記事へのリンク)
半袖短パンはNG? リカバリーウェアで冷えを防ぐ
「夏だから涼しい格好で寝たい」という気持ちは分かりますが、エアコンをつけて寝るなら、肌の露出は控えめにした方が無難です。
私は普段、ダンスやピラティスを習慣にしていますが、睡眠時の冷えは翌日のパフォーマンスに直結すると感じています。エアコンで体が冷え切った状態で起きると、筋肉がこわばり、朝のストレッチで「あ、今日は股関節が硬いな」と感じることが多々ありました。
そのため、現在は吸湿速乾性に優れた長袖のリカバリーウェアを愛用しています。
- 汗をかいてもすぐに乾く(冷え戻り防止)
- エアコンの風から肌を守る(保温)
この2つの機能を兼ね備えたウェアなら、27℃の部屋でも「守られている」感覚で安心して眠れます。特に「首」「手首」「足首」を冷やさないことが、全身の血流を保つ助けになると感じています。
今日からできる!「朝のだるさ」を防ぐナイトルーティン
最後に、エアコン設定と合わせて取り入れたい、自律神経を整える夜の習慣をご紹介します。
就寝90分前の入浴で深部体温をコントロール
暑いからといってシャワーだけで済ませていませんか?
エアコンの冷気で表面が冷えていても、体の奥には熱がこもっていることがあります。
ぬるめのお湯(38〜40℃)に10〜15分浸かり、一度深部体温を上げましょう。上がった体温が下がるタイミングで眠気が訪れ、スムーズに入眠しやすくなります。
起きた瞬間の「日光浴」で自律神経をリセット
もし朝起きて「なんだかだるいな」と感じたら、すぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びてみてください。
日光を浴びることで、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、活動モードへの切り替えスイッチが入ります。だるい時こそ、光の力で自律神経をリセットしましょう。
一年中エアコンが欠かせないマレーシアで、何度も失敗を重ねた末に落ち着いたのが、この「27℃」でした。
まとめ:今夜から「27℃」を試してみませんか?
日本の過酷な夏を乗り切るためには、エアコンは我慢するものではなく、賢く利用するものです。
記事のポイントを整理します。
- 設定温度は「27℃」を基準にする
- 風向きは一番上(水平)で固定し、体に当てない
- 「寒がり」は長袖ウェアと場所取りで自衛する
マレーシアという常夏の国で試行錯誤したこの方法が、あなたの日本の夜を少しでも快適にできることを願っています。
まずは今夜、いつもより設定温度を1℃上げて、その分薄手の長袖パジャマに着替えてみませんか?
翌朝の体の軽さが、きっと変わるはずです。
